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2011年03月03日

NHK-hi特集「二人の旅路 - 日中 激動を生きた京劇夫婦 -」を見た

(ツイッターのつぶやきを改訂しつつまとめてみた)
NHK-hi特集「二人の旅路〜日中 激動を生きた京劇夫婦〜」を見た。夫は国家一級俳優、妻は残留孤児で京劇女優。こんな夫婦が日本にいるとは知らなかった。タイトルからして香港映画の『覇王別姫』の様な京劇俳優に対する文革時の迫害が繰り広げられてしまうのかと予測したが、違ったのが重かった。
二人が逃げる様に日本に来たのは、戦争でも文革でもなく、日中国交回復後のほんの20年前。やっと消息がわかった実父との文通を通じ、劇団で日本人だとバレてしまい、中国の地方都市ゆえか、噂が広がってその地にいることが出来なくなったという衝撃の事実。夫は名誉も地位も愛する舞台すらも捨て、愛する妻にただ寄り添い、共に日本へ来た。
それにしても、居を構えたのが何故福岡だったのか。亡き実夫の実家があったのか?もしも東京なら、京劇ファンが集う票房という倶楽部が60年前からある。京劇がらみの仕事があるかもしれない。京劇から一切離れた生活にならなかったかもしれない等、二人は望まないかもしれないが、考えてしまった。
かつて所属していた京劇団に招かれ、思い出の地で20年ぶりの舞台に立つ夫。演目は覇王別姫。番組当初、団地から姿を現した人物と同一とは思えないほど、生き生きと輝いていた。共に舞台に立つことは望まなかった妻。共演はせず、虞姫は劇団の女優が演じていた。夫の最後の舞台が終わった後、誰もいない劇場で夫婦は二人だけの覇王別姫を演じた。妻の所作も20年の時を経たとは思えないほど美しかった。
20年ぶりの公演は、かつての劇団の思い出の舞台が取り壊されることになった為、劇団員達が記念公演を企画し、夫婦を招いた。二人が劇団を去った後、覇王別姫は一度も上演されていないという。たった20年で深い心の傷をチャラには出来ないだろうが、一つの公演をつくり上げてゆく過程で、きっと心のわだかまりは癒されたに違いない。
激動の時代に出会い、運命に負けず互いに支え合い、寄り添う老夫婦の後姿が私の胸にも刻まれた。 いい番組だった。
posted by 水歌ななこ at 19:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 京劇 | 更新情報をチェックする
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